どうも、小野です。
今回は、LINE DEV DAY 2019 2日目のレポートです。
今年のLINE DEY DAY 2019は台場にあるグランドニッコーホテルで行われました。
LINE DEV DAYに参加して良かったポイントがいくつかあったのでそのご紹介と、印象に残ったセッションについてのお話したいと思います。
参加して良かったポイント
その1:エントランスボードにスマートフォン?を使用
トップの画像をもう一度確認してみてください。左側の緑の部分です。実はこれ、スマートフォン?になっています。 タッチすると反応しますし、画面の表示が変わるので、エントランスの表情も変わりますよね。
その2:受付が顔認証
いろんなイベントに参加してきましたが、顔認証は初でした。 顔認証による受付を行うためには、顔が映った画像の事前登録が必要でした。折角なので、登録し顔認証による受付を済ませました。 受付に設置してあるタブレット内の所定の位置に顔を合わせると、事前登録した顔とマッチングし認証が行われるようになっています。
驚いたのが認証にかかった時間です。 顔を合わせた瞬間に、自分の名前(一部隠されてましたが)画面に表示されました。時間にして1秒かかってないと思います。
どの顔認識エンジンを使っているのだろうと気になって、顔認証受付の仕組みというセッションを聞きましたが、 自社独自で開発したエンジンだったのです。パブリッククラウドに頼らず自社開発してしまう技術力の高さには圧倒されました。素晴らしい。
その3:景品がガチャ
景品にはいくつか種類があって、これをガチャで引くといったものです。 ガチャといえば、ハンドルがあって、それを手で回すものを想像すると思いますが、やはり普通ではなかったです。
ガチャがあるぞ!#linedevday pic.twitter.com/rV25sI47O1
— がおまる@LINE API Expert (@gaomar) 2019年11月20日
まず、事前準備としてスマートフォンのBluetoothをONに設定し、LINEを起動した状態にしておきます。 ガチャの前面の指定された場所にスマートフォンをタッチさせると、カプセルが出てくる仕組みでした。
これからは、ガチャもキャッシュレスに変わっていくんですかね。
その4:水、おやつの提供
LINEのパッケージの水とおやつが配布されていました。
LINEのキャラクターがプリントされたお菓子と思いきや、よくある普通のお菓子でしたね。 1日中セッションを聞いていると、小腹が減るのでそんなときにとても助かります。
その5:弁当の種類が豊富
ランチ時間帯に配布されるお弁当ですが、今年は4種類くらいありました。 しかも、そのお弁当のクオリティも高い。
1つじゃ満足できず、配布されているお弁当の減り具合をみて、2つ目も頂きました。欲張ってすみません。
その6:駅から近く、ワンフロア
私はゆりかもめの「台場」駅で降りたので、駅直結でした。
りんかい線の「東京テレポート」駅からでもLINE仕様の無料シャトルバスが出てたみたいです。
#linedevday アクセスはこちら
— LINE Developers (@LINE_DEV) November 21, 2019
専用シャトルバスは本日も、東京テレポート駅-会場間を運行します。運行は、9:30-18:30頃、約20分の間隔を予定しています。ぜひご利用ください! https://t.co/eTv7HDIXJW pic.twitter.com/kDPs7Rb1r2
個人的には最寄り駅までの移動は多少遠くても、会場が駅から近いほうが嬉しいですね。
あと、全てのセッションが階段移動がなく、ワンフロアで完結していました。 ワンフロア内に5つのセッションルーム、1つのブース用ルーム、休憩スペースなど確保されていてとても居心地がよかったです。
印象に残ったセッション
新規プロジェクト立ち上げ!ウォークスルー決済を実現したトライ&エラー文化
登壇者
横田 聡
クラスメソッド株式会社 代表取締役
概要
国内でいち早くレジレス、キャッシュレスのウォークスルー型決済を実現したDevelopers .IO CAFE。2018年6月にゼロからプロジェクトを立ち上げて以来、社内での検証や、実店舗でのお客様からの声を元に改善を続け、現在はLINE Payとの連携を可能としたほか、複数店舗展開を見据えた技術開発を行っています。本セッションでは、まったく新しい事業の立ち上げ方と、トライ&エラーによる技術進化のプロセスについてお話しします。クラスメソッドでは、最新のLINE技術とウォークスルー決済との連携についても日々、研究を重ねています。セッション当日はLINEとの新しい取り組みや、最新の決済の仕組みについてもご紹介を予定しています。
Developers.IOブログでお世話になってるクラスメソッドの代表である横田社長のお話でした。
ウォークスルー決済をつくるきっかけは?
ウォークスルー決済というのは、入店時にスマホなどで認証を行い、欲しい商品を手にとってレジを通さず店を出ると決済が完了する仕組みです。
ウォークスルー決済を開発するきっかけとなったのが、AmazonGoの存在でした。 横田さんは、AmazonGoができた当初、実際に出向き体験したときに、これを自社で作ろうと思ったらしいです。 このことを社員に話したところ、苦笑されたそうです。 確かに、あのAmazonが作ったものを作ろうなんて、ましてや技術的に無理だろうと思ってしまいますよね。 でも横田さんはAmazonのカルチャーである「やってみる」を実行したそうです。
Amazonのカルチャーとは以下のようなものです。
- 机上で終わらせない/評論だけしない
- 成功を保証しない/ 大胆に挑戦する
- 多数の実験と失敗から多くを学ぶ
- 失敗のコストを最小化する
- 利用者に使ってもらいフィードバックを反映
- 学習済みモデルと優れたソフトが残る
- 上記を高速に繰り返す
確かにやってみないことにはできるかどうかの判断はできませんよね。
どうやって作った?
まず、スケジュールですが、以下のようになっていました。
期間 | 内容 |
---|---|
2018/05 | AmazonGoに感動 |
2018/06 | メンバーアサイン |
2018/07 | 展示したい |
2018/08 | 解散 |
2018/09 | 新メンバーアサイン |
2018/10 | 展示したい、解散 |
2018/11 | 新メンバーアサイン |
2018/12 | 実店舗で試したい |
驚きなのが、開発期間です。最初のお披露目はメンバーアサインから2ヶ月程度です。こんな短期間なので多くのメンバーを揃えたのかと思いきや、たったの8名で、 しかも、実務とは別で取り組んでいたそうです。実現するには相当の努力が必要そうですね。
作る上でまず大事なのはイメージを持ってもらうことです。ウォークスルー決済の体験をいかに共有できるかが重要で、共有の方法として、ドキュメントにまとめるのではなく、妄想動画や妄想図などが効果的であるということでした。
ウォークスルー決済だと、ソフトウェアの他にもセンサーといったハードも必要になってきます。 それも1から自社で作っていたそうです。ソフトウェアの会社なので、ハード開発の経験がなくたくさん失敗したそうです。
メンバーのみなさんも、本当に「興味」や「やりがい」があったんだろうなと感じ取れました。 それよりも、AmazonGoを作ってみたいという発想、そしてそれを実現する横田さんには脱帽です。
これが今運営されている店舗です。興味があるかたは足を運んでみてください。
ユーザーとともに創るサービス
登壇者
古川 健介
アル株式会社 代表取締役
概要
スマートフォンも成熟期に入り、作られるサービスの種類も多種多様となっています。そこで、求められているのが、ユーザーが自分のサービスのように、参加できるサービスです。パソコンの時代も、成熟期にはいると、そういったサービスが勃興していきました。一つの物語に参加しているような気持ちで、ユーザーがサービスに参加できる方法などをご紹介します。
アルというマンガサイトを運営している会社の代表の古川さんことけんすうさんです。
けんすうさん経歴は?
まず、けんすうさんの経歴です。
- 1998年(16歳)のとき、「呪いのサイト」をリリース。霊媒師の指摘により閉鎖
- 2001年(19歳)のとき、受験情報サイト「ミルクカフェ」をリリース
- 2004年(21歳大学在学中)のとき、「したらば」運営会社社長に就任
- 2005年のとき、堀江貴文氏から連絡を受けて、事業譲渡
- 2006年のとき、リクルート入社
- 2009年のとき、ハウツーサイト「nanapi」をリリース
若い頃から活躍されていたことがわかります。悲しいことに、私の1つだけ年上でした。。
主に、コミュニティサイトを中心に開発されていたそうです。 現在、運営されているマンガサイトも利用者がおすすめの1コマを投稿する形になっています。
アルの収益は?
マンガサイト「アル」のビジネスモデルはないらしく、収益は「アル開発室」という今でいうオンラインサロンです。 月々1000円を払うと、アルの開発に参加できるといった仕組みになっています。 仮に無料でやった場合、最初に参加してくれる人は多いけど、離れるのもの早い。逆に有料だと、金払っている分モチベーション高く活動してくれる人が残るので、 有料化することも大事だと話していました。
長続きするサービスを作るためには?
運営者が利用者をおいてけぼりにせず、共に同じ方向を見て開発するということでした。
最初の完成度は低いものがよく、サービスを提供したあとに以下のサイクルを回していくことで、 ユーザにサービスの成長過程を見守ってもらい、つまり物語に参加してもらいより深いファンになってもらうことが、 サービスの成長につながるとのことでした。
- 完成度の低い状態で提供
- ユーザに使ってもらう
- フィードバックをもらう
- 改善する
(1〜3を繰り返す)
かの有名なクックパッドや食べログも、アクティブユーザ上位100名と実際にお会いし、フィードバックを受けており、 アクティブユーザも最初は利用者だけど、徐々に運営者という意識に変わるそうです。
そういうユーザを巻き込んでいくことが長続きさせるコツなのだと思いました。
セッションの感想
2つのセッションを取り上げましたが、両方に共通して言えることが3つあります。
- 挑戦する、作ってみる
- 「ユーザに利用してもらう」→「フィードバックを受ける」→「改善する」のサイクルを回す
- たくさん失敗する
3つ目については、失敗して当たり前のスタンスのほうが、エンジニアとしても気が楽になり、挑戦の意欲が増しますよね。
結局、動かないと何も始まらないんだなと痛感させられました。
おわりに
昨年同様、とても満足のいくイベントでした。そして、運営されていたスタッフのみなさん、ありがとうございました。 LINEの社員のセッション資料が全て英語だったので、とてもグローバル感を感じた1日でした。
また、来年も参加したいと思います。